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自然の中に出かけたくなる理由(おじさん編)

2020.10.5

あぁ、自然の中で暮らしたい!

年をとるほど自然の中で暮らしたくなる傾向が、どの方にもあるようです。
30代の方々には理解しづらいことかもしれませんが、40代となった頃から、徐々にこうした欲求が膨らんできます。

「海が見える高台で、いつかは暮らしたいよね。本当に気持ちいいだろうな~」

なんて。テレビ番組などで紹介される悠々自適のリタイア夫婦も、まず間違いなく緑豊か、広々と海が見渡せて、といったところを住まいに選んでいることが多い。

年を取ったら都会だね!と、もともと田舎で暮らしていたご夫婦が新宿あたりに引っ越してくる、なんてことはあまりないですよね。

実は、こんな壮年世代の切なる思いの裏側でも、色彩が作用しています。

その理由の一つが、目も日焼けするという点です。
メラニン色素というものをご存知かと思います。肌の日焼けの元になる存在です。
太陽光線が皮膚に当ることによって、皮膚表面に浮上し、肌をこんがり日焼けさせてくれる、あのメラニン色素です。

若い頃は日焼けをしても、時間の経過とともにまた元の白い肌に戻っていました。
ただ40才を過ぎた頃になると、これが元に戻らず肌のクスミの原因になってきます。大変悲しいことですが。

実はこのメラニン色素は肌だけではなく、眼にも存在するのです。眼も太陽光線によって日焼けしているのです。
もちろんお肌と同じように真っ黒になるわけではありませんが、ごく弱いメラニン色素が働いて、眼に必要以上の太陽光線が入らないように遮断しています。

このメラニン色素。先ほど申し上げた通り、役割が終わったら、お肌の新陳代謝とともに少しずつなくなって、肌は元の状態に戻ります。ただしそれは若い頃の話。

年齢を経てくると肌と同様、完全に消えなくなりメラニン色素がそのまま眼に残ってしまうようになります。そしてクスミとおなじようなことが、眼の中でも起こってきます。

すると何が起こるのか。
肌と同じように、太陽光線が遮断されることとなります。ほんのわずかですが。それも太陽光線全体が遮断されるのではなく、遮断されやすい色が特に届かなくなります。

その色とは波長の短い、つまり障害物に弱い青、緑、紫といった色です。

人というのは不思議なもので、足りないものほど欲しくなる傾向を持っているようです。
今まで脳に届いていた青、緑、紫の色が少なくなると、今までと同じ量をどうしても欲しくなる。自然界の中でなかなか見つけにくい紫は別として、自然の緑、海の青を、もっともっと欲しくなる。つまり多くの緑や青を今まで以上にたくさん見て暮らしたいと願うようになるわけです。

いつかはこんなところに・・・

つまり年をとるほど冒頭の「自然の中で、(青い)海を見ながら、豊かな自然(緑)に囲まれて暮らしたいなー」という望みが自然に現れてくるようになります。
届きにくくなった自然の色を眼が求めていたんですね。

機会があれば、小さな子の白目をよく観察してみてください。全くメラニン色素が付着していない、青に近いような白をしています。

HIGHLIGHT

目も日焼けすることで、波長の短い「青、緑、紫」が見えにくくなることが一因。
日焼けをしていない子どもの目は青に近い白。比べてみては?