
ロボットが働く変わり続けるホテル
大阪心斎橋駅から徒歩3分のところにある「変なホテル」。
「世界初のロボットが働くホテル」であることからテレビなどでの取材も多かったため、一度は名前を聞いたことがあるのではないだろうか。
このホテルの成り立ちや特長を統括マネージャーの外屋敷忍さんに伺った。
省人化が目的
けして広いとは言えないエントランスはロボットだらけだ。
入って最初に目を引くのは正面にいる2匹の恐竜ロボット。カウンターの奥で何やら動いている。今にも襲われそうなとてもリアルな恐竜で「子どもが泣き出すこともある」と外屋敷さん。

実はこの恐竜たちがチェックイン・チェックアウトの担当だ。手前にあるタッチパネルで簡単にチェックインの操作ができる。操作中も恐竜たちは動いており、チェックイン操作をする客を飽きさせない。取材中に訪れた女性客が、ケラケラと笑いながら手続きをする姿が印象的だった。
手続完了まで一切スタッフは出てこない(現在はGo toキャンペーンの本人確認のため一部スタッフが対応している)。実はこれこそがロボットを働かせる大きな理由だ。
このホテルには100室弱の客室がある。通常この規模のホテルではスタッフ数は30名ほど必要だという。ところがこのホテルではたったの9名でまわしている。
「最悪1名でもなんとかなりますよ」と外屋敷さんは笑う。
ターゲットに合わせたロボット配置
続いて目を引くのはロボホンの大群。総勢19名のロボホンが毎時0分に季節に応じたダンスを披露してくれる。一糸乱れぬダンスは迫力があり引き込まれる。

「お客様が『おっ』と思ってくださる演出をしたかったので、ロボホン19名を採用しました」と外屋敷さん。ロビーの広さ、迫力などを考慮した上でこの形になったという。ロボホンの背景にはホログラムで様々な柄が浮かび、ダンスを盛り上げている。
心斎橋には観光客が多い。実際コロナ前の宿泊者はビジネス利用が約3割、残り約7割が観光客だったという。「レジャーで訪れた方を楽しませたい」という思いもあり恐竜とロボホンの設置が決まったという。
変なホテルは各地に展開しているが、それぞれがその土地ならではの工夫をしているため、画一的な作りではないことも面白い。
ロビーにはもうひとりロボホンがいる。

こちらはタブレットに連動して動くコンシェルジュロボホンだ。多言語での館内案内を提供してくれるとともに、スタッフルームへの電話接続もしてくれる。
コンセルジュロボホンは季節に応じたコスチュームを身にまとうオシャレさんでもある。
変わり続けるホテル
客室にはタブレットが設置されており、テレビやエアコンの操作、ライティングの色の調整ができるようになっている。
タブレットでは近隣店舗の検索などもでき、ここでも「人に接しない」工夫がされている。

現在は恐竜とロボホンがお出迎えするホテルだが「これから先はどうなるかわかりませんよ」と外屋敷さん。「変なホテルとは変化し続けるホテルという意味です。これからもお客様を楽しませるために変わり続けます」。
これからの変化が楽しみだ。
SHPOINFO
変なホテル大阪 心斎橋
〒542-0081 大阪府大阪市中央区南船場3丁目5−2
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