
紙図面が簡単にCADデータになるシステム
今、建物などの建築物の維持管理が問題となっています。コンクリートの耐用年数は50年から60年と言われており、高度成長期に作られた建築物の多くが、この10年前後でメンテナンス(整備や更新)を必要とします。
先日のコラムでもご紹介したように建築業界は「人手不足」ですし、建築物のメンテナンスには多額の費用がかかることから、なかなか進んでいないのが現状です。
図面のトレースが簡単に!
改修工事のもう一つの課題が「CAD(※)データがない」ということ。改修を必要とする建築物の多くが、CADが普及する以前に建てられたものだからです。
そのため多くの現場で手書き図面をトレースする作業が発生しており、時間的・金銭的に大きな負担となっています。手書き図面のトレースを専門で行う業者もあるほどです。
「図面変換の匠」シリーズはそうした現場の声から生まれたシステムです。紙図面を複合機でスキャンするだけで、CADデータにしてくれます。

スキャンされたデータはクラウド上でCADデータに変換されますが、その際に嬉しい機能が2つ。「図面の汚れを自動除去」「図面の傾きを自動補正」してくれるのです。
数十年保管された図面には、小さなシミや折り目がつきもの。図面の記号やラインとこれらを自動で見分け、除去してくれるのです。
また、図面がコピーのコピーだったり、スキャンの際に少しずれてしまったりということもよくあることですので、傾き補正も助かる機能です。
さまざまなCADに対応
CADデータと一口に言っても実は様々な形式があります。ひとつは、CADを作成するソフトウエアごとの違い。
例えば「DWG」は、現在広く普及している「AutoCAD」というアプリケーションを開発したAutodesk社が定めたファイル形式です。
これらのファイル形式は違うアプリケーションとはやり取りすることができません。そのため互換性を持たせたファイル形式が作られました。国土交通省主導で開発された互換性のあるファイル、「P21」やその簡易版「SFC」は公共工事の電子納品にも使われる形式です。
ひとつの建築物で作成される図面の種類も複数あります。
建物の場合だと、まずは骨組みや柱、天井、床などの躯体の図面があります。これに照明、空調、水道といった付帯する設備の図面があります。CADができる以前はトレーシングペーパーを重ねて写し、こうしたいくつもの図面を作っていました。
できた図面は作業内容に応じて業者に配布されます。例えば、照明工事を行う企業なら「照明の設置位置を記載した図面」「配線図」を元に作業を行っています。
「図面変換の匠」シリーズはこうした様々なCADデータ形式、図面の種類に対応しています。
クラウドストレージの活用でいつでもどこでも
読み込みできたCADデータはクラウドストレージに自動で保存されます。「Dropbox」「OneDrive for Business」「box」の3つのクラウドストレージに対応しています。
クラウドストレージに保存することで、外出先での図面確認もできるようになりました。
CADアプリケーションの中には、タブレット向けの無料アプリケーションを提供しているものもあります。機能は絞られていますが、確認するには十分。こうしたアプリケーションと組合わせて使うことで、お客様への説明や、出先での作業がよりスムーズに行なえます。
大きな転換期を迎えている建築業界。現場の声がIT技術と結びつくことで効率化が進んでいくようです。
COMPANY INFO
株式会社システムズナカシマ
図面変換の匠 カスタマーサポート
TEL:050-5526-1359(03-5821-9761)
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