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【寄稿】うどん豆知識

2021.6.14

蒸し暑い日が増えてきました。
在宅勤務中のランチには手軽に調理ができる、うどんやおそばの登場回数も増えているのでは?本日はちょっと趣向を買えて「うどんに関する豆知識」をお届けします。(外山晴彦さんの寄稿です)。

うどんと塩

明治中頃まで、日本の小麦は水車小屋の石臼で製粉された。精度が粗く、ふすまが混入するため、やや褐色だった。一方、パンの原料として米国から輸入された小麦粉は純白。これはアメリカン粉から「メリケン粉」と呼ばれ、区別するため国産品を「うどん粉」と称した。主な用途がうどんだったからだ。

うどんは、小麦粉に含まれるグルテンの量、加える塩の量、練り方、寝かし時間にそれぞれ流儀がある。それによって微妙に味や食感が変わり、好みも地域によって異なる。グルテンは蛋白質の一種で、うどんのねばりやコシの素となる。

粉を練るときは、かなり濃い塩水を加える。そして「寝かせ」る。 小麦粉は水分の浸透性があるため、時間とともに水分が均一に行きわたり、熟成させることで麵にコシが生まれるなど、「寝かせ」にはいくつかの特典がある。

ソバにはこれがないので、練って寝かせることはしない。なお、塩分はゆでた際に、ほぼすべてがゆで湯の中に出る。だから、うどんのゆで湯は飲料に適さない。

「手打ち」と「手打ち風」

練った粉を手作業で延ばし、手で持った包丁で切る。このような工程を経てつくられるものを「手打ち」という。それ以外の方法でつくったものは「手打ちうどん」とは表示できない。

ただし、すべての工程が機械で処理されたものでも「手打ち風」と表示できることになっている。「手打ち」と「手打ち風」では一字違いで、まったく別のものとなる。

機械処理のうどんは水分が少なく、表面が滑らかになる。これに対して、手打ちうどんは水分を多く含むためコシがあるのに柔らかく、さらに表面がザラつくためつゆの乗りがよくなる。

うどんは、小麦粉の選択から塩加減、水の量、練り方、熟成の方法と時間、切り方、ゆで加減など、それぞれ独自の工夫とノウハウが求められる。それぞれに流儀があるところに面白さがある。そこから本家争いも生まれる。

群馬県の榛名山麓には「水沢うどん」といわれる名物がある。10数軒のうどん屋が、それぞれ堂々たる専門店を構える。看板を見ると「大本家」「本舗」「元祖」「始祖」「本手造り」などと、のれんを競っている。「本店」「創家」「宗家」「本祖」「創祖」「創始」などの名称ならこれからつけることもできそうだ。

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