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中小企業と法令㊦ 従業員50人の壁

2021.12.13

中小企業にとって気になる法制度のご紹介、2回目。中小企業にとって従業員50名はひとつの壁となることをご存知だろうか。労働法令関連の規定により、企業負担が増えるのだ。
どのような負担が増えるのかを見てみよう。

産業医・衛生管理者の選任

「従業員」は、契約日数・時間数に関わらず、継続して雇用し使用している労働者を指す。継続雇用中である週 1 回程度のアルバイトやパート社員も含んでカウントする。

常時 50 人以上の従業員を使用する企業では、業種を問わず産業医を選任する必要がある。また、1人以上の衛生管理者も選任しなければならない。どちらも選任報告書を所轄の労働基準監督署長に提出する義務もある。

産業医も衛生管理者も一定の要件を満たした人でなければならない。中小企業にとっては見逃せないコストアップにつながる。また、衛生委員会の設置も義務付けられる。衛生委員会は毎月 1 回以上開催しなければならないなど、従業員の負担も増える。

検診とストレスチェック

従業員の健康診断とその結果の報告も義務付けられる。健康診断は労働安全衛生法に基づくものでなければならず、健康診断個人票の 5 年間保存も必須に。

さらに2015年に施工された「ストレスチェック制度」もある。同じく50人以上の従業員を使用する事業者に義務付けられたもので、毎年 1 回の実施と労働基準監督署への報告が必要となった。

また休憩室の設置も必要となる。「労働者が臥床(がしょう)することのできる休養室または休養所を、男性用と女性用に区別して設けなければならない」と規定されているのだ。体調不良の社員を休ませたり、急病人の一時待機場所とするために、横たわって寝ることが出来るスペースを確保することを定めたものだ。

障害者の雇用も義務付けられ、ハローワークに障害者雇用状況の報告も必要だ。

従業員50人は中小企業にとっては大きなターニングポイント。中にはあえて従業員49名を維持している企業もあるほどだ。ベンチャーやスタートアップ企業が最初に直面する課題のひとつでもある。

HIGHLIGHT

従業員50人は中小企業にとっては大きなターニングポイント。