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Interview

変わる大学体育会 - グリーンレガッタの挑戦 -

2022.4.18

コロナ禍で活動方法が大きく変わった学生スポーツ。練習できない、合宿できない、大会は中止、と選手たちの気持ちを考えるとやりきれない思いにもなります。そんな中、クラウドファンディングやYou Tubeを活用して開催された大会があります。彼らの取り組みをご紹介します。

グリーンレガッタとは

中央大学、東京経済大学、法政大学の3大学によるボートの大会。今年で31回目となるこの大会は、毎年4月29日の「みどりの日」に行われていたことから「グリーンレガッタ」と名付けられた。現在はボートコースのスケジュールなどから「みどりの日」以外に開催されることもある。

大会の様子(男子ダブルスカル)

シングルスカル、ダブルスカル、エイトなど7つのレースで総合得点を争う大学対抗戦。年度初めの大会でもあるため、各校とも力の入る大会だ。

クラウドファンディングで資金集め

グリーンレガッタは「グリーンレガッタ実行委員会」が運営する。3校が持ち回りで幹事校となり、中心となって大会を切り盛りしていく。今年は東経大が幹事校だった。

大学のサークル活動はこの2年、コロナに振り回されてきた。練習禁止に、相次ぐ大会の中止。選手は筋力やモチベーションを保つことに苦労した。合宿所の定員も密を避けるために半減、その分外部のアパートを借りるため資金面でも厳しい状況が続いた。

グリーンレガッタも例外ではない。今年も「無観客か有観客か」はたまた「中止」か、実行委員会は頭を悩ませながら準備を進めてきた。
毎年グリーンレガッタは企業からの協賛を得ることで開催してきた。しかしコロナ禍で企業業績の見通しも立たない中、これまでどおりの方法でお願いしていいものか。様々な意見が出る中「クラウドファンディング」に挑戦することとなった。

大学の体育会の大会で、クラウドファンディングを利用することはめずらしい。前例も少なく成功する保証もない中、資金集めがスタート。SNSでの告知なども行った結果、なんと期限前に目標の30万円を達成。最終的には449,000円に達した。大成功だった。

クラウドファンディングの画面

ハイブリッド開催

昨年度の大会は無観客だったためYou Tubeでのライブ配信を行った。今大会は有観客だったが、会場への移動をためらう方にも応援してもらうためライブ配信を行うハイブリッドでの開催となった。

You Tube生配信の様子

ライブ配信も昨年からバージョンアップ。今大会は「実況付き」で配信したのだ。画面を見ていると120名を超える視聴者がモニタの向こう側で応援していた。

今大会を終えて、実行委員長を務めた甲周子(かぶと ちかこ)さんはこう振り返る。

「今大会を無事に開催することができてホッとしています。今年度の実行委員には有観客でのグリーンレガッタを経験した者がいなかったため、試行錯誤の連続でした。大変なこともとても多かったのですが、クラウドファンディングやYouTubeの実況付き配信が今後の大会の発展に繋がったら嬉しいです。
大会に携わってくださったすべての皆様に感謝しています」。

コロナ禍で大きく変わった学生生活。学生たちの知恵と努力が感じられるいい大会だった。

INFO

グリーンレガッタ情報