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Interview

写真整理のすすめ㊦家族をつなぐ

2022.10.3

「写真整理のすすめ」2話目です。今回は終活の一環として写真整理をする方々についてです。

シニア世代の写真整理

終活の一環として写真整理をはじめるシニア世代は少なくない。この世代は「子どもたちに迷惑をかけたくない」という考えから、すべてを処分するべきと思い込むことが多い。一方で子どもたち側は「写真を残してほしい、でも全部はいらない」と思う。

写真整理アドバイザーは、まずこうした方々の話をゆっくりうかがう。残すべき量を見きわめ、残す基準を決めるお手伝いをする。「家族ではなく第三者だからアドバイスできることもありますし、第三者だから気兼ねなく話をしてくれるという面もあります」。

写真を見ながら思い出したことをアドバイザーに話す。さまざまなことを思い出すうち、自分の人生を肯定できるようになってくるのだという。「写真を整理する時間は、思い出に浸ることのできる『極上の時間』」だと浅川さん。

残す写真を選定したら、フォトブックとして形にする。アドバイザーが伺ったお話のうち、ご家族にも聞いてほしいエピソードはフォトブックのコメントとして記載し残す。フォトブックが「思い出のかたまり」になる。

思い出のかたまり「フォトブック」

絆が生まれる

ある方は独立した子どもたちから「写真を捨てろ」と言われた。わかってはいるが捨てられないと、アドバイザーに相談してきた。悩みつつ時間をかけて写真を選定し、なんとかフォトブックにまとめた。

きれいにまとまったフォトブックを見て「捨てろ」と言っていた子どもたちだけでなく、孫たちまでもがフォトブックがほしいと言ってきた。「余計なことをして!」と怒られると思いこんでいた依頼者がとても嬉しそうに報告してくれた。アドバイザー冥利に尽きる瞬間だという。

写真整理をするうちに家族の相続争いが収まった事例や、写真を撮られることを嫌がっていた子どもたちが自ら写真を撮ってと言うようになった話、久しぶりに学生時代の仲間と集まった、子どもの本音を初めて聞けた、などなど嬉しい報告が数多くあるそう。

デジタルとアナログをいったりきたり

写真整理アドバイザーの活動内容は、最初から今のような形ではなかった。はじめは「デジタル化する」ことが一番だと考え、その普及活動をしていた。今はデジタルとアナログをいったりきたりしながら「写真を楽しむこと」を伝えている。

スマホで撮影した写真をフォトブックにする。紙焼きの写真をスキャンして残す。どちらも「写真を見返す・楽しむ」ための方策だ。

デジタル化は「味気ない」と思う人もいるのではと問うと「最近のスキャナの性能はすごいです!」と浅川さん。協会で紹介しているScanSnap(PFU製)では退色補正、鮮明化の技術が進化し「色あせた写真よりいいね」と言ってくださる依頼者がほとんどだという。

デジタル化で鮮明に

写真は「宝物」だと浅川さん。とはいえ、「宝物はそのままおいておくと価値が下がってしまいます。価値を上げるためには変化が必要。デジタルとアナログをいったりきたりすることで価値を上げ、本来の楽しみ方をしてほしいです」。

みなさんも「写真の整理」にチャレンジしてみてはいかがだろうか。

※写真整理ワンポイントアドバイス②
 「お気に入りと削除を活用」

スマホの写真整理のポイント。撮影時には「念のため」と複数枚撮影することが多いが、これをすべて残しておくのはNG。撮影したらすぐ「いい写真」以外を削除。
また削除しながらいい写真には「お気に入り」マークをつける。友人や家族に見せたい写真に「お気に入り」をつけるようにすれば「あれ?見せたい写真が出て来ない」という状況から抜け出せる。お試しを。

INFO

一般財団法人 写真整理協会 Web