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新しい星空の楽しみかた

2023.1.16

星空を見上げることはありますか?「我が家の周りは明るくて」と諦めている方々、「星空観察なんて寒い」「眠そう」と敬遠されている方もいるのでは?
本日はそんな考えが一気に吹き飛ぶ、天体観測の今をご紹介します。

天体観測の難しさ

本格的に星の観察をしようと思うと必要になるのが「天体望遠鏡」。数万円のお手軽なものも販売されており、子どものころに手にした方もいるのでは。

望遠鏡で天体観測をする人が最初に行き詰まるのが「見たい星が見られない」こと。天体望遠鏡の視野は倍率が高くなるほど狭くなるため、目的の星を視野にいれるのはなかなか難しい。通常は「ファインダー」と呼ばれる小さくて倍率の低い望遠鏡を併用して、星を探す手がかりにするがうまくいないことも。

「天体観察」だけでなく「天体写真を撮ろう」と思うとさらにハードルが上がる。御存知の通り、星は刻一刻とその位置を変えているからだ。星の写真撮影の際は、弱い光をとらえるために長時間シャッターを開放する必要がある。そのため星の動きに合わせて望遠鏡の向きを調整しなければならない。これらを手動で行うことは難しい。

星のデータベースと望遠鏡

近年では、こうした問題を解決してくれる望遠鏡が発売されている。「自動で見たい星にフォーカスを当てる」「自動で追尾する」という機能が備わっているのだ。もともとは天文台などに設置されている大型の望遠鏡に備わっていた機能だったが、IT技術の進化と普及で小型化が進み、趣味で使うこともできるようになった。

この機能を実現するために使われているのが、星のデータベース。NASAなどがネット上で公開している情報で、誰でもダウンロードし利用できる。これを専用のソフトウエアに登録すると「どの地域から見た、どの星が、どの時間に、どの角度に」現れるかが計算できる。コンピュータで制御された架台(望遠鏡を乗せる台)が、計算結果をもとに自動で動いて、星の方向に望遠鏡を向ける。もちろん「追尾」も全自動。

撮影もコンピュータ制御だ。撮影データは自動で合成・調整され、Wi-Fiでつながったパソコンやタブレットを使ってその場で確認することができる。

望遠鏡のそばにつきっきりになる必要がない。室内でパソコンやタブレットの画面を見ながら望遠鏡を操作、撮影されたデータを確認するだけだ。こたつに入ってテレビを見ながらでも「星空の撮影」ができてしまう。

筆者の友人が撮影したハート星雲

いつでも・どこでも・誰でも使える望遠鏡

とはいえ「望遠鏡は高価だし、買えない」と思われる方もいるだろう。そんな方におすすめなのが「インターネット望遠鏡」だ。2009年頃からはじまった取り組みで、世界各地に望遠鏡を設置しインターネットを通して天体観測しようというもの。自前で望遠鏡を用意しなくても、好きなときにWeb ブラウザ経由で望遠鏡を使うことができる。

リモート利用できる天文台は世界中にある。天文台や大学の研究機関等が中心となってすすめているプロジェクトや、民間が運営する「iTelescope.net」というシステムもある。

「iTelescope.net」はアマチュアの中ではメジャーな存在だ。アマチュアの天文家が資金や土地、望遠鏡などを出資して運営しており、利用者は使用する望遠鏡と使用時間に応じで料金を支払う仕組みだ。

「インターネット望遠鏡」はインターネットに接続できる環境と、PCさえあれば世界中どこの望遠鏡でも使える。日本にいながら南半球の星空の写真を撮ることもできる。新しい天体の発見や彗星の観察で成果をあげているという。

近年急速に進化している天体観測。まずはインターネット望遠鏡のお試し利用にチャレンジしてみてもいいかもしれない。

HIGHLIGHT

望遠鏡の進化が進んでいます。家の中から南半球の星空を撮影することができるほど。
新年のチャレンジにいかがでしょうか?