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ビジュアルメモのすすめ

2023.1.23

「グラフィックレコード」「ビジュアルメモ」と聞くだけで「絵が下手だから」と及び腰になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。筆者もその一人です。
今回はそんな人でも取り組める「ビジュアルメモ」について、アート・アンド・ロジックの代表 増村岳史さんにお話を伺いました。

脳を活性化する

アート・アンド・ロジックは設立8年目の会社で、デッサンなど「絵を描くこと」をオリジナルのカリキュラムで教えている。

以前から「美大出身者のなかには絵画やデザインはもとより、文学、音楽、演劇、ビジネスなど多方面で活躍している人」が多いことが不思議だと思っていたという増村さん。自身の経験とさまざまな方との話から、絵を描くということは一種の「脳トレ」だと考えるように。普段、左脳ばかり使っていると思考が膠着し広がらなくなる。右脳も使ってバランスよく思考する訓練がビジネスの世界でも必要なのではないかと考えた。

芸大出身者たちと「絵の描き方を教える」プログラムを開発し提供を開始。評判は上々で「絵がうまくなった」という喜びの声を多くいただいた。
この学びを実際のビジネスに活用できる講座の開発を考えていた。

誰もがつかえるツールに

絵をビジネスに活用する方法がなにかあるのでは?と探していた増村さん。ちょうど「グラフィックレコード(※)」が流行りはじめていたため、その講座をいくつか受講しヒントを探した。

※ミーティングや議論の内容を、文字とイラストを使って可視化し整理する方法のこと。参加者がリアルタイムで記録を共有できるよう、大きなホワイトボードや模造紙に描かれるスタイルが一般的。

「グラフィックレコード」は確かに良いツールだと感じたが、もう少し使いやすくできるのでは?と仲間と検討を重ねた。

結果「ビジュアルメモ」では大きな模造紙やホワイトボードは使わないことにした。子どものころから使い慣れている大学ノートを使うことで「いきなり大きな紙に描く」という抵抗感を減らした。
また、描くのはイラストではなくアイコンに。余計な飾りを排除することで「絵にコンプレックスを抱く人」にも受け入れられやすい形にした。

アイコンドリル

教材も工夫した。皆が学びやすい形である「ドリル方式」を取り入れた。お手本となるアイコンの横に空欄があり、真似をして書く。かつての授業で使っていた「漢字ドリル」がそのまま「アイコンドリル」になった形だ。

絵を描く基礎能力は誰にでもある

こうして出来上がった「ビジュアルメモ講座」。絵の上手い下手には関係なく「眠っている右脳の能力を目覚めさせること」「ビジュアライズをツールとして使うこと」を1日の講習で教えている。

ビジュアルメモの例

たった1日の講座でできるようになるのか聞くと「ドリル形式のおかげか、みなさんちゃんとできるようになりますよ」と笑う。

それでも「もともと絵が下手だから、眠っている能力もないかも」と思う方もいるかもしれない。増村さんはそんな方には「絵を描く基礎能力は誰にでもある」と話す。「映画のワンシーンやワールドカップのシュートのシーンをみなさん画像や映像で覚えていますよね。つまりインプットはできているのです。アウトプットの手法を知らないだけなのです」。

思い出していただききたい。
小中学校の美術の授業で「好きに書いて」と言われて絵を描いた方々が多いはず。「好きに書いた結果として上手い、下手を判断されること自体、そもそもロジックが破綻している」と増村さん。
実は絵を描くことには明確なロジックがあり、それを知って描けば「あっという間に絵がうまくなる」のだという。

何より「絵の上手い下手は関係ない」ビジュアルメモ。まずは取り組んでみることが重要かもしれない。

COMPANY INFO

アート・アンド・ロジック株式会社
〒151-0071 東京都渋谷区本町2-33-2-3F