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梅・桃・桜

2023.2.13

まもなくやってくる花の季節。待ち遠しいですよね。本日は本格的な花の季節を前に「梅、桃、桜の見分け方」などをおさらいします。

花びらの形と花の付き方

まずは開花の時期での見分け方。最も早く開花するのは梅で、1月下旬~4月下旬にかけて日本列島を北上する。続いて桃が3月上旬~4月下旬、桜もほぼ同時期で3月中旬~4月下旬に咲く。ただし、東北北部や北海道などでは、3種が同時に咲くこともある。

続いて花と幹での見分け方。3種とも「バラ目・バラ科・サクラ属」でよく似ているが、ポイントは「花びらの形と花の付き方」と「幹」。

梅は、花びらの先が丸いのが特徴。花柄(かへい。枝と花の間にある細い茎のようなもの)が短いため、枝に直接咲いているようにみえる。1節に1花しか咲かないため、ひとつひとつの花が際立つ。
花が咲いている間は葉がでない。幹はざらざらでごつごつ。

梅の花

桃の花びらは尖っている。桃は1つの節に花弁が2つつくので、梅よりも花が多く見える。桃も梅と同様、枝から花が直接咲いているように見える。
梅と桃の大きな違いは葉の出る時期で、桃は花と葉が同時に出る。幹は白っぽく、薄い縞模様がある

桃の花

桜の花びらは御存知の通り、ハートのような形。桜は花柄が長く枝から垂れるように咲く(花柄がさくらんぼの軸になる)。1ヶ所に密集して咲くのも特徴。
ソメイヨシノは花のあとに葉が出るが、八重桜などは花と葉が同時に出る。幹は比較的つるつるで、縞模様がある。

桜の花

梅の花と実

梅は中国から伝わったとされる説と、もともと日本原産だという説がある。どちらかというと、中国原産説が有力らしい。中国では花の鑑賞よりも、果実を利用することが主だったそう。「斉民要術」という中国の書物(530~550年著)には梅の塩漬けについての記載がある。

逆に日本では観賞用の梅が先に広まった。「万葉集」には、「梅花の宴」で詠まれた「梅花の歌」がおさめられている。この宴は奈良時代(730年)に開かれた。日本で梅が食用として知られるようになったのは平安時代の中頃。

鎌倉時代以降、実は主に梅干しとして食用に、また薬用としても重宝された。花は観賞用、木は器物にとすべてが利用された。

桃は神聖な木

桃は弥生時代に、これまた中国から伝わったとされている。「古事記」に桃の花の記載があり、平安時代には桃の節句で飾られるようになる。

中国の「芸文類聚」という書物に「桃ハ五行ノ精」と記載されているように、桃には邪気や鬼を祓う力があると信じられてきた。「日本書紀」にも「桃の枝を鬼に投げつけ追い払う」という意味の記述がある。

モモを漢字で「桃」と書くのは「兆しを持つ木」という意味があるから。未来を予見し、魔を防ぐ木だと考えられていた。また、桃の木は多くの実を結ぶことから、多産のシンボルとしても捉えられていた。こうしたことから、女の子の幸せを願う「桃の節句」という行事ができたと言われている。

花の名所

最後に各地の名所をいくつかご紹介。

梅の名所

偕楽園偕楽園【茨城県水戸市】
浜離宮恩賜庭園【東京都中央区】
六義園【東京都文京区】
国営昭和記念公園【東京都立川市】
熱海梅園【静岡県熱海市】

桃の名所

笛吹桃源郷【山梨県笛吹市】
花桃の里【長野県阿智村】
花見山公園【福島県】
わたらせ渓谷鉄道神戸駅【群馬県みどり市】
紀の川桃源郷【和歌山県紀の川市】

春を感じる散策にでかけてみてはどうだろうか。
昨年の桜のコラム「桜のあれこれ」もぜひ。

HIGHLIGHT

花が咲く時期は梅、桃、桜の順でやってくる。
3種は花びらの形と花の付き方で見分けられる。