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Interview , SDGs

SDGs未来都市計画② 豊島区㊤

2023.2.20

SDGs未来都市計画をご紹介するシリーズ第二弾は豊島区です。
内閣府から「SDGs未来都市」と「自治体SDGsモデル事業」に東京都で初めてダブル選定された豊島区の施策をご紹介します。

財政危機、「消滅可能性都市」の指摘

豊島区は過去に大きな危機を迎えている。1999年に財政破綻寸前の危機が発覚、2014年には有識者会議から人口減で衰退する「消滅可能性都市」と指摘をされたのだ。特に「消滅可能性都市」の指摘は、東京都の「特別区」が指摘されたことで大きな話題にもなった。

巨大ターミナルである池袋駅に、7つの大学、サンシャインシティなどを有する豊島区は人が集まるイメージが強いのに「消滅可能性都市」だと言われ、多くの人が驚いた。

大学入学や就職などを機に多くの若者が流入してくるが、結婚・出産する年齢になると流出してしまってる人も多くいるようだ。

この指摘を引き金に、豊島区は「本気で」まちづくりに取り組むことになる。

文化によるまちづくり

かつて財政破綻寸前の危機が発覚した際に、区は厳しい財政状況下でも夢を持ち続けたいと、まちづくりの大きなテーマとして「文化」を掲げた。「文化創造都市宣言」「豊島区文化芸術振興条例」「文化政策推進プラン」なども策定し、実現に向けて動いていた。

消滅可能性都市として指摘されるというピンチを迎え、これをチャンスに変えるべく、2015年に新たに打ち出したのが「国際アート・カルチャー都市構想」。「誰もが主役になれる劇場都市」を目指し、地域一丸となって、文化を軸に据えたさまざまな取組みを推進している。

「国際アート・カルチャー都市構想」の大きな目的のひとつが「選ばれるまち」になること。まちを「良くしよう」という思いは、まちに魅力が無いと生まれない。「選ばれる」「愛着を持ってもらう」ために、伝統的文化や最先端の文化だけでなく、衣食住などの生活文化、それを支える舞台となるハードの整備を行っている。

アート・カルチャーとは
「芸術文化」という言葉で一般的にイメージされる枠組みを超え、伝統的な文化から先端的な文化まで、衣食住に関わる生活文化からハードな都市づくりまでをも含み、アートの持つ想像力・創造力で、カルチャーの語源そのままに、まちを耕すことを意味します。

―国際アート・カルチャー都市構想平成27年6月増刷版より抜粋

国際アート・カルチャー都市×SDGs

「国際アート・カルチャー都市構想」で目指している「誰もが主役になれる劇場都市」では、4つの柱を掲げている。「子どもと女性にやさしいまちづくり」「高齢化への対応」「日本の推進力」「地方との共生」といったものだ。

これらはSDGsの理念とも一致する。豊島区では「国際アート・カルチャー都市×SDGs」として豊島区ならではの目標も設定。「区役所業務のすべてがSDGs」ととらえ、全庁をあげて取り組んでいる。

2020年には「SDGs未来都市」「自治体SDGsモデル事業」に東京都で初めて、ダブル選定された。これを受けて「としまSDGs都市宣言」を制定した。

「としまSDGs都市宣言」
豊島区は、人々の暮らしを豊かにする文化の力を最大限に引き出すことにより、消滅可能性都市を克服し、持続的に発展していく都市の未来像として「国際アート・カルチャー都市」を掲げ、その実現に向け、地域一丸となった取組を推進しています。SDGs(国連で採択された2030年を年限とする国際目標)が示す17の目標に挑戦し、個性あふれる地域社会として活力を高め、誰もが笑顔あふれる社会の実現に向けて行動する豊島区の一連の取組は、SDGsの理念や将来像とまさに考えを一つにするものです。私たちは、SDGsの実現に向け、地域の多様な主体とのパートナーシップにより、国際的視点で考え、地域主体で行動し、経済・社会・環境の好循環が生まれる持続可能なまちづくりを更に推進します。より良い未来をこれからの世代に引き継いでいけるよう、私たち一人ひとりがSDGsの理念である「誰一人取り残さない」社会の実現を目指し、行動することを宣言します。

次回は具体的な活動をご紹介します。

CITY INFO

豊島区役所
〒171-8422 豊島区南池袋2-45-1