Close

About

東京のコンテンツ制作会社が運営する
時事コラムサイト
株式会社オフィス・サウス

Prev Next
Image
Interview

「働きやすい環境を」リコージャパンつくば事業所㊤

2023.3.6

2022年4月15日にオープンしたリコージャパン株式会社つくば事業所。Nearly ZEB事業所としても注目されている事業所にお邪魔し、水野隆支社長、設計段階から携わってきた松崎潤さん、熊谷寛子さんにお話をうかがった。

前提条件が変わる

つくば事業所の建て替え計画は2019年に企画されていたという。当時の建物は老朽化が進んでおり「女性従業員に事務所の不満点をヒアリングしたら、100%が寒いと答えるほどでした」と熊谷さん。計画をたて本社の承認も受けていたが、他支社の建て替えとの兼ね合いで順番待ちになってしまったという。

この順番待ちをしている間に、会社も世の中もガラッと変わってしまった。会社は「今後新たに建てる事務所はZEB対応する」と打ち出し、世の中には新型コロナウィルスがまん延した。「全部やり直しでした」と松崎さん。

ZEB対応

ZEBとはNet Zero Energy Building(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の略。「ゼブ」と呼ぶ。人が生活・仕事をしている建物自体のエネルギー消費量はゼロにはできない。そのため、太陽光パネルなどを設置しエネルギーを作ること(創エネ)で、エネルギー消費量を正味(ネット)でゼロにしようという取り組み。

2015年には経済産業省がZEBの実現と普及に向けたロードマップを策定。省エネ率に応じた3段階が定義された。省エネ率100%の「ZEB」、75%以上の「Nearly ZEB」、50%以上の「ZEB Ready」だ。つくば事業所はのちに「Nearly ZEB」の認証を受けた。

リコージャパンは2019年に「ZEBリーディング・オーナー」にも登録された。ZEBリーディング・オーナーはビルなどの建築物のオーナーでZEBの先進的な取り組みを行っている事業者を登録する制度。これを受けて「つくば事業所もZEB対応を」ということになったのだ。

当初はZEBを想定していなかったつくば事業所のプラン。急きょ全面的に見直すことに。屋上にはソーラーパネルを設置し「創エネ」を行う。

屋上に設置されたソーラーパネル

エコを意識するためのエネルギーの見える化システム、照明や空調をコントロールする「RICOH Smart MES」の導入で「省エネ」を推進。蓄電システムやEV車を取り入れることで、夜間、悪天候時、さらに災害時に備える「蓄エネ」にも対応。

駐車場に設置されたEV充電器

「初期コストはかなり増えてしまいました」と水野支社長が振り返る。

集う価値、集わない価値

もうひとつ、プランに大きく影響したのが「新型コロナウィルスのまん延」。「これまで出社することが当たり前でしたが、そうではなくなったため、根本的に考え直しました」と水野支社長。

支社内で改めて「集う価値と集わない価値」について議論。集う価値として、コミュニケーション、アイデア創出、熱意などのキーワードをあげ、どういったスペースが必要か検討。
集わない価値としてはワークライフバランスの健全化や、生産性の向上をあげつつ、ペーパーレス化、Web会議の環境整備などを検討していった。

次回はオフィスの作りと、社員の意識についてです。

COMPANY INFO

リコージャパン茨城支社 つくば事業所
〒305-0821 茨城県つくば市春日2-26-3