
【寄稿】新型コロナ闘病記②入院生活のいろいろ
今や誰がいつ、罹患してもおかしくない新型コロナ。
在宅療養者、ホテル療養者、入院されてる方。日々、その数は増えけ悲しいニュースが報じられることも増えてきました。
今回は新型コロナに罹患し大学医学部付属病院へ入院した方からの寄稿、その2です。
「自分はたまたま大学医学部付属病院にお世話になることができた。ちょうど同じタイミングで、地域密着型の病院、警察系の病院へ入院した知人もいました。SNSでお互いの状況をやりとりしていると、受け入れてくださる病院によって状況が違うことが分かりました。入院できるだけでとてもありがたい状況ですが、あなたがもし入院するとしたら?」。
酸素吸入と点滴
入院して検査が終わった後、セットされたのが以下の3つです。
中等症の場合はこれが一般的なようです(ちなみに重症とは「ICUに入室あるいは人工呼吸器が必要」な状態とのこと)。
①酸素飽和度測定器(パルスオキシメーター)
動脈血の「酸素飽和度」を計測できる機器。様々な形があるようですが、私の場合は、身体の右胸上部・左胸上部・左胸肋骨辺りに計測チップを貼り付けて、昔の携帯の様な形の装置で計測をしていました(常時携帯)。
②酸素吸入器
中等症の場合、まず開始されるのは酸素療法です。多くの場合「鼻カニュラ」というチューブを通して酸素を吸います。カニュラを装着していても血中酸素飽和度が下がってしまうと「酸素マスク」での酸素投与になります。
③点滴
水分やミネラル、ブドウ糖などとともに、ステロイドやベルクリーという薬を投与されました。入院してから退院する2日前まで、ずっとつけっぱなしでした。
(編集者注:ベルクリーは一般名称をレムデシベルといい、2020年5月に新型コロナ治療薬として特例認証された薬。)
入院生活
私が入院した大部屋には6名が入院していました。ベッドはカーテンで閉ざされ、どんな方がいるのかすらわかりませんでした。あとで聞いたことですが、この部屋は本来、4人部屋なんだとか。増え続ける患者に対応するために、定員を増やしていたようです。
同室の方々は、症状によってなのか、酸素飽和度測定器、点滴機、酸素吸入器の装着はそれぞれ。退院間際の方は何も装着していないようでした。
当たり前ですが、8時、12時、18時の食事以外は基本的にベッドに横になっているだけ。カーテンで区切られた狭い空間でひたすら過ごします。たまたま私は窓際のベッドだったため、気持ち的には少し楽でした。
夜には、いびきや寝言、激しく咳き込む人、痛みに耐えきれずうめく人、ナースコール、点滴機のエラー音などでゆっくり寝ることはできませんでした。
一人、また一人と退院すると、すぐに新しい患者が入ってきます。私が入院している間、ベッドが空くことはありませんでした。
病院によって違う環境
私とは違い、地域病院に入院した知人は個室、警察系の病院へ入院した知人は4人部屋に2人だけ(退院まで患者の入れ替わりは1人だけ)とのこと。部屋を選ぶことは知人も私もできず、運としか言いようがありません。聞いたときは羨ましく感じました。
食事も病院によってかなり違ってました。
私の病院では毎食お粥。使い捨てのお弁当用プラスチック容器におかずが2品。これが3食、約2週間ひたすら続きました。(編集者注:給食スタッフが安心して働けるよう、新型コロナ感染者の食事に使い捨て容器を使う病院も少なくないようです。)
地域病院と警察系の病院では、通常の食器で提供。ご飯と3品程度のおかずが基本ですが、パンや冷や麦、ハヤシライス、炊き込みご飯とバリエーションに富んでいたそうです。
シャワーを浴びる頻度や買い物依頼(看護師が病院の売店等で商品を代理購入してくれるサービス)も病院によって違います。
地域病院と警察系の病院は毎日、欲しいものが無いか聞きに来てくれたそうですが、病院の売店での買い物のため品数は少なかったとか。大学病院では毎日は聞いてくれませんでしたが、コンビニで買い物をしてくれたのでいろいろなものが買えました。
新型コロナウイルス感染症は、厚生労働省が「指定感染症」に指定したことにより、入院治療費は基本的に公費で負担されます。
大学医学部付属病院でも、地域密着病院でも、警察系の病院でも、入院治療費を患者が負担することはありません。
それなのに搬送された病院によってこんなに違いがあるというのも驚きの経験でした。
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