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桜のあれこれ

2022.3.14

まもなく訪れる桜の季節。咲き誇る桜を見ると「日本人に生まれてよかった」と思うこともあるのでは。本日は桜の小ネタをお届け。

100年ぶりに発見された桜

日本に古くから自生している桜は約10種類。ヤマザクラ、オオヤマザクラ、カスミザクラ、オオシマザクラ、エドヒガン、チョウジザクラ、マメザクラ、タカネザクラ、ミヤマザクラ、クマノザクラだ。沖縄のカンヒザクラを野生種に含め11種類とする説もある。

クマノザクラは2018年に発見されたばかりの野生種。紀伊半島南部、熊野川流域を中心におよそ南北90km、東西60kmの限られた範囲に自生している。開花時期が早く、2月中旬から咲くものもある。この地域の生活に密着しており、あまりにも身近すぎて未発見の桜であることに気づかなかったと言われている。桜の新種の発見はなんと「100年以上ぶり」のことだった。

ソメイヨシノはクローン?

野生種に加え、複数の種が交配してできた変種、観賞用に開発された改良品種などは200以上。分類のしかたによっては600種とも800種とも言われている。花の色や形、開花時期など様々だ。早咲きのカワヅザクラ、日本ではおなじみのソメイヨシノ、山地でよく見かけるエドヒガンザクラなどはよく聞くのではないだろうか。

最もポピュラーなのが日本固有の桜とされているソメイヨシノ。江戸末期ごろオオシマザクラとエドヒガンから生まれた品種だ。
実は日本にあるソメイヨシノはほとんどが同じ遺伝子を持つクローンなのだという。これは「挿し木」や「接ぎ木」によって増やされたため。実はソメイヨシノは「自家不合和性」という性質があり、ソメイヨシノ同士の自然交配で子孫が残せない。

同じ遺伝子をもつため、一斉に開花するという特徴があり、桜の開花日を予想する「桜前線」もソメイヨシノの開花を基準にしている。

シダレザクラは円熟した美人

ヤエザクラ、シダレザクラという品種があると思われている方もいるかもしれない。実はこの2つは総称だ。
ヤエザクラは花びらが重なって咲くように見える八重咲きの桜の総称。ボタンザクラと呼ばれることもある。ヤエベニシダレ、カンザン、ベニユタカなどの品種がこれに含まれる。

シダレザクラは枝が柳のように垂れ下がる桜の総称。エドヒガンを元とした交配種がほとんど。枝垂れる特性は遺伝的に劣勢のため、シダレザクラの子でも枝垂れないことが多いという。ソメイヨシノより早く開花することがよく知られている。

ちなみに桜の花言葉は「精神美」「優美な女性」「純潔」。これがシダレザクラになると「ごまかし」「円熟した美人」といったキーワードも追加される。有名な古木も多く、年を重ねるイメージがあるからだろうか。

食べて楽しむ

花より団子派の方々には「食べる」桜の情報を。

桜餅の葉はオオシマザクラ。花色が白い桜だ。生育がよく毎年多くの若葉をつけるため食用にされてきた。また、葉に細かい毛がなく食べやすい。国内生産の7割を静岡県松崎町がになっているという。

サクランボができるのはセイヨウミザクラやスミノザクラ。こちらの花も真っ白。日本で栽培されているのはセイヨウミザクラがほとんど。「サクランボ」とは通称で、本名は「桜桃(おうとう)」という。
観賞用の桜もさくらんぼに似た実をつけるが小さく酸味が強いため、食用にはならない。

桜茶に使われているのはヤエザクラの一種、カンザンかフゲンゾウ。五分咲きから八分咲きの濃いピンクの花が使われている。茶碗の中で「花がひらく」=「未来がひらく」という縁起をかついでいる。

オフィス・サウスのすぐそばにある新宿御苑には65種類1100本もの桜が植えられているという。桜餅に使うオオシマザクラ、桜茶のカンザンも植えられている。いつもとは違った「食べる」視点で桜を見てみるのも面白いかもしれない。

HIGHLIGHT

大昔から日本人に親しまれてきた桜は種類も豊富。
豆知識とともに少し違った視点でお花見しては。