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DSJレポ③浮き上がるサイネージ

2022.7.11

2022年6月15日から3日間、幕張メッセで開催された展示会「デジタルサイネージジャパン2022(DSJ)」。ここで展示されていた「気になる新技術」のご紹介その3です。今回は「感染症対策にもなる」サイネージです。

タッチパネルが空中に

日本カーバイド工業のブースに展示されていたのは、一見何の変哲もない黒い箱。横からのぞいても何もおこらない。

しかし、この箱を正面から見ると箱の上にボタンが浮きあがって見える。さらにボタンがありそうな場所を指差すと画面が切り変わる。

ボタンが空中に浮かび上がる

これは「空中ディスプレイ」と呼ばれる技術で空中に映像を表示させるもの。プロジェクターの映像を鏡やリフレクター(反射板)で反射させることで、空中に浮いているように見せる。特殊なメガネなどは必要なく肉眼で見られる。

展示されていたのは、さらにセンサーを加えて空中でタッチできるようにしたもの。上の写真の2台はトイレのウォッシュレットの操作パネルと、テンキーで番号を入力するパネルだった。トイレのパネルが非接触になるのは素直に嬉しい。

この技術はすでにエレベーターなどでの実用化が始まっている。

医療やセキュリティの分野でも

新型コロナの蔓延で「触ること」にナーバスになった私達にとってはありがたい技術だ。現実のディスプレイに触れずに操作が可能なため、医療現場などでの活用も見込まれている。
「触る部分」がないため、ボタン類の清掃や除菌も必要ないというメリットもある。飲食店などの衛生面に気を使う業界でも活躍しそうだ。

さらに、空中ディスプレイは横からのぞいたり、人の後ろからのぞいたりした場合に見えにくくすることが比較的容易だ。ATMなど暗証番号を入力する装置などでの活用も見込まれる。

複数技術で活用の幅を広げる

逆に鏡やリフレクターを追加することで、横からのぞいた際にも空中映像が見えるようにできる。展示されていたクレーンゲームでは、複数の技術を使うことでUI表示の幅を広げている。

クレーンゲームにはもうひとつ「映り込み防止」の技術が使われている。空中ディスプレイの後ろにガラスがあると、そのままではディスプレイ像が映り込んでしまう。これを防止するために、ディスプレイやプロジェクターの前に「ある一定の光をとおさない『偏光板』」を設置している。

見えやすさが違うだけでなく、ガラス扉の前での暗証番号の入力時などセキュリティ対策にもなる。様々なシーンで活用ができそうだ。

ちなみにクレーンゲームの一等賞は魚津市の「ミラたん」のぬいぐるみ。魚津市は日本カーバイド工業の創業の地であり、蜃気楼が見える街として有名だ。空中ディスプレイも蜃気楼も「そこにはないものが映し出される」もの。面白い展示だった。

COMPANY INFO

日本カーバイド工業株式会社
108-8466
東京都港区港南2-16-2
03-5462-8200  
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